授業記録15 2016年2月5日

出席10名

13:50 「レポートの要約」「期末レポート評価」「ポートフォリオ評    

     価」の記入についての説明。他、連絡事項など

 

14:05~15 授業アンケート(その間、講師室にて提出されたポートフォ  

     リオのチェックを行う)

14:15~ 各自、最終レポートの要約を行う  

     要約のチェックを受け、自己評価、ポートフォリオ評価を

     提出したら、退出O.K

     早い人で、14:50に退出。15時には全員終了。

 

〈気付いた点〉

 ポートフォリオを拝見したが、きちんとファイルができている人は、授業内容をよく習得できていると感じた。ノートも細かくとっており、説明書きも母語でなく、日本語を用いているのには感心した。15週間の授業で書く技術が向上したことを学習者本人も自覚できているのではないだろうか。

〈15Wを通しての感想〉

 20数名でスタートした書く上級のクラスだが、様々な事情でだんだんと減っていったとはいえ、最後までまじめに取り組んでいる人も少なくなかった。もともと自由意思で履修を決める補講クラスの中でも「上級書く」のクラスは、日本語力をあげたいというやる気のある学生が特に集まるのではないだろうか。毎週、手間のかかる宿題や予習をよくこなしていたと思う。クラスがスタートした当初は、学生たちには緊張が見られ、硬い表情が多く見受けられたが、次第に打ち解け、教師との信頼関係ができていったように思う。また、はじめはあまり進まなかったピアラーニングも回を重ねるうちに、少しずつ有意義になっていったように感じる。

 授業を通して、最も感銘をうけたのは、教師の懇切丁寧な要約、作文のF.Bであった。20名近い作文のチェックは毎週、かなりの労力を要すると思われたが、その丁寧なF.Bに学生らも感じるものがあったのではないだろうか。また、毎週優秀作文や要約が例としてコピーされるシステムは、モチベーションにもなったと思う。

「書くこと」を教えるというのは、4技能を教える中で最も難しいのではと感じた。学生自らのかなりのやる気が必要不可欠であるし、その学習成果は一夕一朝には表れない。教師は、地道なF.Bを続けながら能力の向上を促していく。

 これまでは文章を感覚で書くのみで、構造を意識したことはほとんどなかった筆者は、15回の授業を学習者のように聞いて学び、恥ずかしながら教育以前の、日本語の文章に関しても多くを得ることができた。今回、教育実習させて下さった先生に心より感謝申し上げたい。ありがとうございました。

授業記録14:2016年1月29日

入試のため、出席5名

14:50 先週の要約F.B 

  ・発表する    /  発表した   / 発表している

 (毎年の繰り返しを強調)(過去を強調)  (現在を強調)

  ・情報源(~の調査によると)を忘れず入れること

  ・~そうである☚話し言葉 ○~という/~とのことである

  ・レトリック(修辞法)の効果を要約でも反映させよう

 

14:06~21 今週の要約「新国立競技場

14:25 期末レポートのF.B(個別に)

    隣の人とピアラーニング

 

〈レポート作成の注意事項〉

① 構成:序論・本論・結論 分量のバランスにも気をつける

② 引用を明示 ×いくつかの/ある 記事によれば→ ○~という記事に

      よれば  

③ 参考文献 実証性のあるものを用いる・書き方にも注意

 

〈気付いた点〉

 レポートのチェックでは、私がみた二人は、まだレポートの書き方や引用についての知識があまりないように感じた。しかし、アドバイスは理解できているので、今後の改善が期待できる。 

 レポートをチェックするとき、短時間で全体に関するアドバイスを提示するにはどのようなやり方が望ましいのだろうか。とかく、細部にまでこだわってしまい、タイムオーバーとなってしまうことが多い。 限られた時間を有効に使うには、やはり構造や重い誤り(引用の仕方など)を優先して指摘し、指導するのが良いのだろうか。    

授業記録13 2016年1月22日

出席11人

13:50 先週の要約FB

    5W1Hを忘れず入れる。いつどこで が抜けないように。

  ○主語の全くない文↓

  「~で連載を開始し、(「この連載は」が省略されている)現在まで続いている」これでも、日本語としては正しい。

  ○自他Vの区別に注意: 連載を続けている(他V)

              連載が続いている(自V)

   * 話題に興味があったのか、割とよくできていた

 

14:06~21 本日の要約「100歳以上が6万人超え」

 

14:25 13課の確認「帰結」p98

    したがって・・・(結論の明示で用いられる)

    そのため・・・(論文途中の因果関係で用いられる)

    だから・・・(軽い因果関係)

    よって・・・(数学の公式証明で用いられることが多い)

    ~と思われる・・・主観的なので、多用しないように。理系NG

  ○ ~といえる/~と考えられる の違いに注意・どちらも断定度高

    ・~と言える(評価の意味付け、単なる断定ではない)

    ・~と考えられる(結論・主張を述べる)=考えることができる

 

14:35 13課クイズp59

   考えられる(自分の意見)/考えられている(他人の意見)の違い

   言えよう(断定度低く、避けたほうがいい)/言える(断定度高い)

 

14:43 作文F.B 関係づけがうまくできている作文は高評価。

 

14:46 作文について2,3人グループのピア活動

 

<気付いた点>

 ピアラーニングでは、課題作文の関係づけについてどう書いよいのか分からないという質問があった。日本語の問題というよりも、レポートをいかにまとめるかという発想の問題であるようだ。テキストの課題作文では与えられている材料が決まっているので、それに自分の主張をどうプラスさせていけばよいのかに戸惑っているようだ。自分のオリジナルのテーマであれば、この点は解決できるのではないかと感じた。つまり、テーマと論拠が決められているために、余計に難しくなっているのではないかと思った。

    

授業記録12 2016年1月8日

出席15名

13:50 要約F.B ―― 全体的によくできていた。

     第一段落を二文にする or  一つにまとめたもの  

     書類、論文

     ×届け出している→届けを出している、届け出を始めている。

 

13:58~14:13 今週の要約「「ONE PIECE」が歌舞伎に」

14:20 作文FB 引用ができないという問題(母語での学習歴ナシ)

    (他人が)考えている VS (自分が)考える

  ×(私は)疑問がある → ○問題がある(問題中心に書くこと)

  ×述べる → △述べた(過去にあった)→ 述べている(現在も関係している)

  〈引用について〉引用、説明までは人の意見、評価から自分の意見    

          この二つをしっかり分けること。

    論文における直接引用では、ページ数も必ず書くこと

    ネウストプニーによると、ネウストプニーは とした場合、他の    

    人物との対比がある

    田中氏 VS 田中(1999)

 

14:35 期末レポート アウトラインについての説明

14:50 宿題アウトラインについてグループに分かれてピア活動

     以下の点について互いにチェックする。

    1.題と見出しは適切か

    2. 論点は分かりやすいか

    3 引用するデータは適切か

 

〈気付いた点〉

学期を通して、引用について学習してきたが、なかなかうまく引用できないのは、母語においても引用の学習経験がないからであった。この点を考慮して、指導をしていく必要があると強く感じた。

     

 

 

 

授業記録11 2015年12月25日

出席15名、欠席4名

13:50 先週の要約F.B

    並列の述べ方について注意: 文 とか 文 など or 

      文  文  など 、 N や N 

    名詞化により短文化できる。

    「の」を入れるかどうかの判断が難しい。

14:03~18 今週の要約『「機能性表示食品」制度が始まる』

 *要約開始直後、学生が手を挙げていたが、Tに気付かれず、質問をやめた。

 今回の要約は、時間内に終われる人が多かったようだ。

14:20 一言コメントしながら、作文返却

14:25 作文FB 

    求められる構成 「引用→評価、考察→結論」

    引用しただけではNG、つまり、~と 説明し直すこと

   例:これは~ということを意味する。つまり~。

〈話題の変え方〉 さて、ところで は話言葉的。論理的な展開にならな

    いため、使用しないこと。 

    論文で話題を変えるなら、段落を変えるなどする。

    論理的に話題を変えることに配慮する

    ~によれば~という(引用)VS ~と言われている(一般論)

  直接引用 VS 間接引用 の使い分けに注意

   「~そうである」は話し言葉的なので使用しない。

作文例を紹介しながら、引用→評価、考察→結論 という組み立てを再度確認。

14:45 レポート作成についての説明。

    プリントを配布し、アウトラインの作成について解説

    次回までの宿題は、12課の作文+レポートのアウトラインの作成

〈気付いた点〉

クリスマスの今日も7割以上の出席であった。日本語で書くことを本気で必要とする人たちが集まっているので、難しい内容にもめげず真剣な態度が伺える。コース序盤よりもTの小話が増え、教室はアットホームに。学生たちは興味を持って耳を傾けているようだ。

 

    

 

授業記録10 2015年12月18日

13:50 教育実習生(筆者)によるF.B

14:10~14:25 要約「マイナンバー制度始まる」

14:30 作文F.B 引用を必ず記す

    ×~によって/~により→〇~によると/~によれば

    列挙の文型 第一に~。

          第一は ~ことである。

    詳述について。

    パターンだけでなく、内容の説明に不足が無いか気をつける。

    数量詞に注意:理由には×三つがある→三つある

           内開きと外開き二種類がある

           内開きと外開きという二種類(のドア)がある

    指摘された(別の人?)→指摘されている(今ここで問題になっている)

    順番を重視する場合 まず、次に(また)、さらに

    順番が変わってもいい場合 第一に、第二に、第三に

14:48 ピアラーニング

    学生からの質問 書き方として VS 書き方には

    AにBがある VS AはBにある 「焦点の違い」

 

〈気付いた点〉

ここのところ活発なピアラーニング見受けられる。日本語を用いて、説明し合ったり、質問している。教師にも不明な点を随時尋ねているようだが、筆者にはなかなか即答できない質問もあり、TAの難しさを実感する。

    

   

授業記録9 2015年12月11日

13:50 要約F.B 

  「推進法」成立 だけでは不十分。施行された も入れること。  

  原文をパラフレーズする要約が増えてきた。

  原文の筆者の立場(中立的・批判的)にそって、要約することも大事

 

14:00~14:19 実習生による要約「食育白書で分かる若者の意識」

  板書の字がやや小さい。

  指示の声をもっと大きくすること。

 

14:20 作文返却、F.B

   ・結果(事実)→考察(意見)

     構成、表現を用いて区別をはっきりさせる。

   ・考察に関係のない図表の説明は書かないこと

   ・「そういった」(話し言葉風)→「そのような」に

 

14:40 自他Vの復習(プリント配布)

   他動詞のない動詞は、使役形を代用できる(ものがある)

   自動詞のない動詞は、受け身形を代用できる。

   自他どちらにも使える動詞もある。

  以上を見分ける方法はなし、覚えるしかない。

 

14:45 宿題のピアラーニング

    ~につれてvs~にともなって

    ~の原因vs~の理由

    考えるvs考えられる   等の質問あり。

 

〈気付いた点〉

前回に続いて、活発な学び合いが観察された。母語が同じでも、日本語を用いて説明している様子もうかがえた。表現における微妙な違いについての問いは、即答できないような質問もあり、このレベルの作文を指導する難しさを感じた。